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エムズコミュニケイト 佐藤 信二
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こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月より大日本印刷グループからMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ所長の岡田祐子です。
こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。是非ご参考にしていただければ幸いです。
それでは、以下から本題です。
特定の地域内でのみ利用ができるポイントサービスのことを「地域ポイント」と呼びます。
全国のさまざまな店舗で使える共通ポイントなどに比べると利用シーンや用途は限られますが、地域の人々が日頃の生活シーンの中で使えるポイントとして、地域活性化やコミュニティ内のつながりの創出などの効果が期待されています。
本記事では、地域活性化の観点から注目が集まる地域ポイントについて、本サイトを運営するエムズコミュニケイトの代表岡田が関わった事例も交えながらご紹介していきます!!
企業だけでなく自治体にお勤めの方にも、参考にしていただける内容となっております。ぜひ最後までご覧ください!
〈この記事は以下のような方に特にオススメです!〉
- 地域ポイントの特徴・特性を知りたい!
- 地域ポイントを導入して、地域活性化を目指したい!!
- 実際に地域ポイントを活用している事例を参考にしたい!!!
地域ポイントとは
地域創生ポイント、地方創生ポイント、自治体ポイントなどとも呼ばれ、自治体が行うサービスやイベントについての住民の認知・参加を促進するためのポイント制度のことです。健康増進ポイント、防災ポイント、エコポイントなど、それぞれの目的に合わせ様々な施策がみられます。
「地域ポイント」は「地域通貨」と組み合わせて導入されているケースもありますが、ここでは「地域ポイント」を軸にご紹介いたします。
(参考: https://onl.la/r7Xw4Nm)
地域ポイント 事例5選!
①三鷹市地域ポイント事業 「みたか地域ポイント」
概要
2022年12月1日より、東京都三鷹市が独自に発行する地域通貨「みたか地域ポイント」の試行運用が始まりました。
2024年度からの本格運用を目標として、一部のボランティア活動やイベント等に参加した人に地域ポイントの付与を行うものです。
エムズコミュニケイト代表兼ポイントマーケティングラボ所長 岡田は、三鷹市地域ポイント事業「みたか地域ポイント」を推進する三鷹まちづくり総合研究所の特任研究員として、本ポイント施策に関わっています。
「みたか地域ポイント」の目的
「みたか地域ポイント」はボランティア活動や地域活動の推進、コミュニティや地域経済の活性化を図り、地域課題の解決や地域のにぎわいを創出することを目的としています。三鷹市が発行する地域ポイント(地域通貨)です。
スマートフォンの専用アプリを通じて、地域ポイントの取得・利用が行えます。
スマートフォンを持っていない人も利用できるよう、紙のスタンプカードも発行しています。
取得方法
- コミュニティ活動
市が指定するボランティア活動や地域活動に参加した人に、ポイントを付与します。
地域の人々の「共助」を促進することで、人と人とのつながりをより強固なものにしたいという意図があります。
- イベント参加
年度テーマに沿って開催されるイベント等に参加した人に、ポイントを付与します。令和4年度のテーマは、「健康増進」、「環境保全」となっています。
テーマに沿ったイベントに参加することで、地域の人々が共通した意識を持つきっかけとなることを目指しています。
利用方法
- 公共施設でのキャッシュレス決済(デジタル版のみ)
公共施設での施設使用料、講座受講料をキャッシュレス決済で支払うことができます。
- 記念品との交換
年度テーマに関連した記念品が取り揃えられており、イベントをきっかけに年度テーマを意識しながら生活することにつながる工夫が施されています。
- 利用者間のポイント交換(デジタル版のみ)
人と人をつなぐことを目的としたポイントサービスであることから、日ごろの感謝や支援へのお礼等、日常のコミュニケーションに地域ポイントを活用できるようになっています。
「みたか地域ポイント」に関する詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/099/099645.html
②大阪府枚方市 ひらかたポイント
概要
健康・長寿・子育てなどの市が定める事業に参加するとポイントが付与され、ポイントが貯まったら、市内の協力店での買い物・飲食に利用できる。2021年4月よりスマートフォンアプリの運用も始まった。
付与対象
枚方市在住の人、枚方市に在勤・在学の人
詳細
枚方市が実施する検診や教室といった事業に参加したり、協力店での買い物で100円につき1ポイントを貯めることができます。貯めたポイントは1ポイント1円として協力店で利用したり、京阪バスポイントへの交換も行えます。
市の福祉や防災、衛生活動への参加を促進し、また地域の活性化を目指した地域ポイントの事例といえます。ポイント付与対象イベントの種類や、ポイント利用シーンの多さが特徴といえそうです。地域のイベントに参加し、地域でお金を使うというサイクルができることで、市内の人々の動きが活発になるだけでなく、人と人との繋がりも創出する狙いがあるのではないでしょうか。
「ひらかたポイント」に関する詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。
https://hirakata.mypl.net/article/hirapo_hirakata
③愛媛県西条市 LOVESAIJOポイント
概要
西条市と西条市SDGs推進競技界が運営する西条市の地域ポイントサービスで、地域の消費拡大と活性化を目的としています。対象となるイベントや活動に参加することで、ポイントが付与され、市内の取り扱い店にて1ポイント=1円で支払いに利用できます。
ポイントを西条市内の店舗で利用することで、市内の地域消費が活性化されるだけでなく、ポイント取り扱い店舗が利用者に認知されるため、市内の新たな魅力の発見に繋がる取り組みです。
付与対象
市内在住者などの制限なく、誰でも利用可能。
過去のポイント事業
「わくわく健康ポイント事業」
2018年に開始した「わくわく健康ポイント事業」は、住民が歩数計やスマートフォンアプリを使い、ウォーキングや健康診断の受診といった健康活動を通じて、「健康ポイント」を獲得するものです。さらに2020年からは、貯まった健康ポイントを「地域ポイント」として市内の店舗にて利用できるようになりました。
愛媛県西条市の取り組みの特徴は、地域貢献を見える化することで、住民のモチベーション向上とシビックプライドの醸成を目的として据えている点といえるでしょう。地域社会の活性化に留まらず、地域住民が西条市に住むことを能動的に選択するきっかけになるよう、取り組んでいることがわかります。
「LOVESAIJOポイント」に関する詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。
④東京都千代田区 介護予防トレーニングでポイ活
(期間限定 過去実施事例)
概要
運動をしたり、講座を受講したりすることで、ポイントを集めることができる企画です。期間中に対象のプログラムへ参加するごとに、1ポイント分のスタンプが付与され、獲得したポイント数に応じて、「ふれあい福祉祭り」で景品と交換ができる仕組みです。
付与対象
60歳以上の千代田区内在住者
ポイントの景品:健康に良い5本指靴下など
詳細
シルバートレーニングスタジオ、高齢者活動センタースポット体操、フレイル測定会、筋力向上教室など
イベント参加によりポイントを付与することで、高齢者の健康増進へのインセンティブを設けている例といえるでしょう。また、ポイントと景品の交換を福祉イベントの会場で行うことで、福祉イベントへの興味関心を掻き立て、来場者を増加させる意図もあると考えられます。
ポイントサービスを活用して、地域のコミュニティと区民の健康を支えようとの取り組みです。
⑤千葉県木更津市 アクアコイン
概要
千葉県木更津市で使える地域通貨「アクアコイン」とボランティア活動や講座への参加などの各種アクションで付与されるポイントからなります。
アクアコインは木更津市内の店舗でのみ利用が可能で、常時1%のポイントが付与され、定期的にポイントアップキャンペーンも実施されています。
詳細
ポイントはボランティア活動や講座への参加により、市役所から付与されます。また、健康活動を後押しする目的で1日に8,000歩あるくとポイントをもらうことができます。1ポイントは1コインとして利用可能です。
アクアコインの特徴としては、1年間というコインの消費期限が定められていること、市内の店舗同士の取引にも利用できること、市民同士でコインの送金ができること、また木更津市やボランティア団体などに寄付できることが挙げられます。
地域通貨を媒体として、市民、店舗、市やボランティア団体の交流を活性化させようとの狙いがあり、その流通性の高さがアクアコインの特徴といえるでしょう。木更津市のアクアコインは地域通貨と地域ポイントをうまく組み合わせた先行事例の一つです。
「アクアコイン」に関する詳細は以下のリンクよりご確認いただけます。
https://www.kisarazu-aquacoin.com/new_common2021/pdf/panf.pdf
まとめ 地域活性化を目指す!地域ポイントの事例集!!
地域ポイントを取り入れることにより、地域コミュニティや地域経済の活性化が進められると言えるでしょう。
また、行政においては、従来、クーポン券やお祝い金として渡していたことにより年間掛かっていた手間やコストが、ポイントによる仕組みの導入により軽減される効果も生じます。
更に、活性化だけではなく、災害への備え等に対する地域全体での意識づけを行う機会になるなど、地域の結束力の強化も期待できます。
高齢化や人手不足、災害への不安など、多くの課題を抱える地方の各地域にとって、ポイントという側面からの取り組みは今後より一層注目される手法になっていくかもしれません。
以下の記事では、地域通貨について詳しくご紹介しています。地域通貨は地域ポイントと併せて導入されている事例も多くあります。本記事とともに参考にしていただける内容ですので、下記リンクよりぜひご覧ください‼
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国内で唯一のポイントサービスに特化したマーケティングコンサル会社です。これまでのポイントサービスの導入・改善支援は300社以上あり、通販、小売り、サービス、金融、鉄道・航空、ガス電力など幅広い業界において実績があります。
※ポイントサービス導入改善に関する国内初の指南書を出版
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③ポイントサービス運用に関する法的・会計面のサポート
ポイントサービスの運用に必要な法的(景品表示法)、会計面(2021年から上場企業に強制適用されるポイント会計)において十全なノウハウを保有しサポートします。
※ポイント会計についてはEY新日本監査法人への執筆協力で『ポイント制度のしくみと会計・税務』(中央経済社)を出版。
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ポイントサービスのコンサルティング支援にあたり、ポイントシステムベンダーについては、中立性を重要視しております。貴社のニーズにあったベンダー紹介および、システムのカスタマイズ提案が可能です。