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エムズコミュニケイト 佐藤 信二
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- アパレル業界から学ぶ顧客管理の方法・事例 - 2016年8月30日
- こんなにメリットがあるポイントカードの導入について - 2016年8月30日
- 導入する前に考えておきたいポイント制度のメリット・デメリットとは? - 2016年8月16日
こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月に大日本印刷グループよりMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ編集部です。
こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。
是非ご参考にしていただければ幸いです。
アパレル業界では、消費者の好みやニーズが目まぐるしく変わり、季節による影響も大きいです。
そのため、商品の『鮮度』が重要視されます。また、最小在庫管理単位が細分化されており、その量も膨大です。
これらを欠品しないように管理することが求められます。このような業界では、どのような顧客管理の特徴があるのでしょうか?
アパレル経営の命
先に書いた通り、アパレル業界では『鮮度』が重要視される傾向があります。
そのため、すべてにおいてスピード感が求められます。売上、在庫管理、顧客管理、入荷、出荷などをリアルタイムでキャッチと分析が出来、素早く反応できることがベストです。
アパレル業界の顧客管理における色々な施策
アパレル業界で行われている顧客管理の施策の事例を具体的に見てみましょう。
ポイントアプリ、ポイントカード
他の業界でも行われていますが、アパレル業界でもポイントアプリやカードを活用するのは有効です。
顧客育成を目的として、シルバー会員、ゴールド会員、プラチナ会員など、ランク・ステージを設けているカードも多くみられます。
また、最近ではスマートフォンの流行に伴って、アプリでのポイントサービスの提供が主流となっています。
メルマガ会員
ポイントカード入会の際に得る情報の中に、メールアドレスも入れておけば、リアルタイムな情報の発信や売上等の把握につながります。
また、『WEB登録で○○ポイントゲット』といったような施策で、会員の増加も見込めます。
最近ではメルマガだけでなくLINE@も非常に有効です。
これまでメールではリーチができなかった層に、より確実に配信が可能となり、しかもメールよりも高い開封率が見込めます。
今後プッシュによるコミュニケーションを検討するのであれば、メールと合わせてLINE@も検討したいものです。
DM、Eメール
メール配信で、様々なキャンペーンを告知することができます。
最近においてはメールは当然のことDMにおいてもONEtoONEマーケティングが浸透してきており、お客様に応じたDMを配送する傾向が見られます。
メールにおいては、購買行動に合わせて、適切なタイミングで個々人に応じて配信をカスタマイズするなど、さらには位置情報に応じて配信内容を変えるなど、より高度なカスタマイズの傾向が見られます。
そもそも顧客管理とは?
マーケティングや営業現場ではよく聞く言葉ですが、そもそも顧客管理とはなんでしょうか?
顧客情報や売上管理の仕組みと考える方が多いと思います。
もちろんそういった機能自体も行う事ができますが、「顧客管理」の目的は、顧客との関係を管理する事が目的です。
顧客との行動値を記録し、分析する事で、顧客への対応や経営分析にも役立てる事が顧客管理の目的といえると思います。
そうしたログデータを管理し、分析できるソフトウェアが、いわゆる顧客管理システム(CRMシステム)と言われますものです。
顧客管理のメリット・デメリット
では、顧客管理のメリット・デメリットについてお話していきます。
アパレル業界における顧客管理のメリット
まず、顧客管理のメリットについてです。主に以下の3つがあげられます。
- 離反顧客を呼び戻す効果があります。
- 顧客満足度を可視化できる
- 新規顧客への依存度・コストを下げる事ができる
アパレル業界における顧客管理のデメリット
一方で顧客管理のデメリットについてですが、実際にはデメリットというものはなく、導入や運用に際しての手間やコスト的な観点での負担や失敗のリスクがあるかと思います。
- 個人情報を管理する事による漏洩リスクが発生する
- システム導入・運用にコストがかかる
- 顧客へのサポート運用体制の構築が必要、手間がかかる
上記のデメリット、リスクなどを当初から想定した上で、予めリスクヘッジや準備をして取り組む事をオススメします。
顧客管理の手法・分類について
皆さんが顧客管理と考えているものは、恐らく幾つかに分類できるのかなと思っております。
たとえばですが、
まず「法人顧客」なのか「個人顧客」なのか?というのが1つの分類手法でしょう。
また、もう1つは、前述した顧客管理システムによって顧客の行動データなどの蓄積・分析する活動と、顧客との関係値を活性化させるための手法・活動に分かれると思います。
特に後者の個人顧客については、顧客管理システムを導入する事だけを想定されてしまっている事が多く、システムに顧客データを網羅的にインプットしたものの、「・・・で何をするんだっけ・・?」と行き詰まってしまう企業も多いと思います。
もちろん顧客データをログ化して、分析するだけでも、それなりの傾向値などが見えて、打ち手を考えるヒントにはなると思いますが、何よりも顧客との関係性を深め、アクティブ化させるような取り組みの方が実際は重要だし、効果につながります。
そうした打ち手の手法について、事前に想定・整理しておく事は有効だと思いますので、今回はアパレル業界を事例に、実際の顧客管理手法についてお話していきたいと思います。
アパレル業界の顧客管理の方法
それでは、以下から実際にアパレル業界を事例に、顧客との関係を活性化する事例・手法についてお話していきますね。
先にも書いた通り、アパレル業界においては、特に『スピード感』が重要視される傾向にあります。これは顧客管理においても同様です。
では、『顧客管理においてもスピード感が重要である』という前提に立った上で、色々な施策を、顧客管理にどう活かしていけるのかを見てみましょう。
ポイントアプリ、カードを活用
ポイントアプリ、カードを活用し、顧客情報を得て管理する、という手法は他の業界でも行われていることですね。
ただ、単純にポイントアプリ、カードを導入すればいいというものではありません。顧客情報と売上情報とが紐づけされていないと、誰が何を買ったのかがわかりませんし、そうなると、ポイントアプリ、カードが『無駄な施策』とは言いませんが、『最大限には活かせていない』状況です。
顧客情報と売上情報を紐づけし、『誰が』『どの店で』『何を』『いくらで』購入したのかなどの情報が把握できるようにする必要があります。また、そういった情報を蓄積していくことが重要です。他にも、誰がどのくらいポイントを使用したのかなど、購入動向を把握しておけば、その分析も可能になります。
メルマガ会員の情報を活用
メールアドレスと売上情報を紐づけしておけば、ポイントカードと同様に、様々な『生きた情報』を蓄積することができます。
お客様がいつ、どのようなメルマガを開封し、どのようなコンテンツ・商品をみてクリックしたか、などの情報があることにより、次回以降についてはそれに準じたコンテンツのレコメンドが可能となります。
DM、Eメールで活かす
顧客情報と売上情報が紐づけされていないと、登録した顧客全員に送付することになり、大きなコストがかかります。
しかし、そういった情報がきちんと紐づけされていれば、顧客の属性、購入商品、購入頻度、購入時期、単価などを分析し、送付条件を設定した上で、マッチする顧客のみにピンポイントで送付することも可能です。
様々なキャンペーンの告知が低コストで済みます。
CRMで活かす
CRM(=Customer Relationship Management)とは、『顧客関係管理』と呼ばれ、顧客の属性や接触履歴を記録管理し、それぞれの顧客に応じたきめ細かい対応を行うことで、長期的で良好な関係を築き、顧客満足度を向上させる取り組みのことをいいます。
紐づけされた顧客情報と売上情報により、属性、単価、頻度、最終購買日など、事細かく情報を得ることができます。
それらの情報を属性ごとに分析したり、デシル分析で全体像とそれぞれの層の売上の割合などを把握したり、RFM分析でより詳細な分析と対応を検討したりすることができます。
もっと個別的な接客も可能になります。店舗の形態にもよりますが、消費者としては、特に衣類などに関してはインターネットではなく、直に見て、試着して、それで購入を決めたいと思う人は多いと思います。
サイズなどは着てみないと分からなかったり、体形にもよりますから。となれば、顔を見合わせて接客する頻度も多くなります。
そこで、顧客情報をリアルタイムで把握できれば、これまでに購入した商品から、好みを把握した上で商品をすすめることができるかもしれません。誕生日が近ければ、そういった話題を持ち出して、良い印象を与えることができるかもしれませんね。顧客との良好な関係を築くことに役立ちます。
アパレル業界における顧客獲得の方法
顧客管理の方法は、「ポイントカード」「メルマガ」「DM」「CRM」などが主に既存顧客が満足する施策の方法でした。
現在多くの店舗でこちらは、活用されていますね。また顧客を獲得する事は、アパレル業界においても非常に重要です。
小売店などと一番異なるのは、店舗で顧客と接する機会が、売上を左右する機会が多いかと思います。
では実際にアパレル業界において顧客を獲得する方法を考えていきます。
顧客の獲得には、顧客理解が必要
アパレル業界などでは接客が、当然ながら顧客との一番の接点になります。
ここで顧客が何を求めて店舗に来ているのかを把握し、理解する事が大事です。
たとえばですが、店舗に足を運んで服を選んでいる時に、スタッフが「スタイルが良いですね」などと、客観的に見たらプラスな事を言ったとしても、その人は、この体型に自信がなくコンプレックスを抱えているといった事もあるかもしれません。これは、極端な例ですがそのような顧客もいるのも事実なので人様々です。
また最近では、接客自体が多少敬遠される傾向にもあります。
業界は、異なりますが美容院では新規顧客のカルテを作成する際に、あまり話掛けないで欲しいなどの項目もあるそうです。
顧客との距離感を把握するなどのように顧客を知り、どのような接客をしたら良いかを考える必要があります。
提供する商品の質は、もちろんですがアパレル業界では店舗のスタッフの顧客理解が、より大事になっています。
このような考えを今以上に持っておくことで、顧客満足度が高まり、顧客の獲得が可能になるかと思います。
アパレル業界の事例
アパレル業界の事例として、以下のページにトゥモローランドの事例を挙げておりますので参考にしてください。
まとめ〜アパレル業界から学ぶ顧客管理の方法
大きな枠で見れば、顧客管理の方法は他の業界とも共通する部分が多く見られます。
しかし、移り変わりが激しい業界で、かつ面と向かった接客の機会が多くあるので、リアルタイムで正確な情報のやり取り、管理が必要になりますね。
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国内で唯一のポイントサービスに特化したマーケティングコンサル会社です。これまでのポイントサービスの導入・改善支援は300社以上あり、通販、小売り、サービス、金融、鉄道・航空、ガス電力など幅広い業界において実績があります。
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ポイントサービスの運用に必要な法的(景品表示法)、会計面(2021年から上場企業に強制適用されるポイント会計)において十全なノウハウを保有しサポートします。
※ポイント会計についてはEY新日本監査法人への執筆協力で『ポイント制度のしくみと会計・税務』(中央経済社)を出版。
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