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エムズコミュニケイト岡田 祐子
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こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月より大日本印刷グループからMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ所長の岡田佑子です。
こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。
是非ご参考にしていただければ幸いです。
システムを導入するにしてもそうでないにしても、顧客管理をする上で、情報をただ単に保持しているのは大変もったいないです。
きちんとデータを精査し、分析した上でそこから分かった結果を販促や新商品開発に活かしてこそ、顧客管理の意味があるのでしょう。これによって、ただ顧客情報の管理だけではなく、優良顧客育成や顧客離反防止に繋がる可能性が生じます。
マーケティングの中でも、顧客に関する分析手法はいくつかありますが、今回は特に顧客管理に関する分析手段をご紹介したいと思います。
メジャーなものから、少しマイナーなものまで5つ提示してみます。
顧客分析の方法①デシル分析
顧客が購買した金額に関して、分析する主流な方法として、『デシル分析』というものがあります。
デシルには、ラテン語で「10分の1」という意味があり、この分析方法の由来となっています。
顧客の購買金額を高い順に10等分に分けて、そこから各比率などの情報を得ようとするものです。
このデシル分析によって、何が分かるかと言うと、比率や構成比によって、自社の売上高に対してどれだけ貢献してくれているか、貢献度の高いいわゆる「優良顧客」を知ることができるのがメリットになっています。
方法
比較的簡単に行うことができ、エクセルなどでも簡単に分析することができます。
たとえば、1000人の顧客がいたとします。ある一定期間の顧客別購入金額の表を作成します。その後次のような手順で100人ずつに等分します。
- 顧客を購入金額の多い順番に並べます。
- 1000人の「10分の1」なので、多い順に並んだ上位から100人ずつ、10グループに分けます。(デシル1からデシル10)
- 各グループの購入金額の合計を出します。
- 全顧客1000人の購入金額合計に対して、各グループそれぞれの購入金額がどのくらいの比率になるかを計算します。
- 上位から累積でどの程度の比率を占めるか「累積購入金額比率」を算出します。
上記のような分析で出たデータから、各グループの売上比率が分かりますね。より自社の売上を効率的に伸ばすには、どの顧客グループを重要視すべきかを窺い知ることが可能となります。
顧客分析の方法②RFM分析
『RFM分析』とは、顧客の購買行動を「最新購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」の3つの項目から分類します。
その組み合わせによって、顧客の選別とグループ分けを行い、顧客の抽出を行うことを指します。
「最新購買日(Recency)」「購買頻度(Frequency)」「累計購買金額(Monetary)」それぞれの頭文字を取って、RFM分析と呼ばれています。
基本的には、RFMのランクが高い顧客ほど優良顧客と言って良いでしょう。
1.Recency(最新購買日)に関して
最近購入した顧客のほうが以前に購入した顧客より『良い』と考えられています。
この項目では各顧客の「購入日時」を見て、 最後に買ったのがいつかを算出し、グループ化します。
どの程度の期間で分けていくかは、それぞれの業態や商品特性によって異なるので、適宜検討されるべきでしょう。
所属する顧客数やどれくらいまで前のデータを分析するかの意味を考慮しましょう。
2.Frequency(購買頻度)に関して
自社の商品を頻繁に購入してくれた顧客を『良い』と考えます。
この項目では、顧客の過去の購買履歴を見て、何回購入したか調べます。
回数の多い順にグルーピングして、上位の顧客ほど、Fの値が高いということを意味します。
Fが低い顧客が多い場合は、商品やサービスのレベルに顧客が満足していないか、コストパフォーマンスが悪いという印象を与えている可能性もあります。
3.Monetary(購買金額)に関して
顧客の購入金額の合計で、この金額が大きいほど『良い』と考えます。
前述した、デシル分析はこの項目と同じようなものですね。
購入金額が上位の顧客から並べ、上の顧客ほどMが高いということです。
この値は、商材や業態によって大きく異なってくるところでしょう。
RFM分析の一般的な解釈では、次のようなことが言われています。
- Rが同じの場合・・・Fが高ければ常連客
- Rが同じの場合・・・FやMが高いほど購買力のある顧客
- Rが高い場合・・・将来の自社の収益に貢献可能性が高い
- Rが低い場合・・・FやMが高くても離反の可能性が高い
- RやFが高くMが少ない場合・・・購買力が低い
- Fが低くMが高い場合・・・Rの高い顧客は『良い』
顧客分析の方法③セグメンテーション分析
『セグメンテーション分析』は、時に顧客セグメンテーション分析とも呼ばれることもあります。
セグメンテーション分析は、デシル分析やRFM分析とは少々異なります。
顧客群の中から属性や特徴の類似性を見つけ出して、それを指標・項目として分類・分析する手法です。
業界業種、会社所在地、購入の実質的決定者のポジション、購入までの行動履歴、利益率、購入頻度など、さまざまな指標によって顧客群をセグメントします。
セグメンテーション分析では、何を指標とするかがキーになります。
どんな分析でもそうですが、特にこの分析ではまず、「顧客分析によって知りたいこと」は何か明確に決めることが必要です。
そして、それを知るためにはどのような指標で顧客群をセグメントすればいいかという仮説を立て、実際に分析を行ってみましょう。
結果を見直し検証するというPDCAサイクルをくり返す必要が特にあります。
顧客分析の方法④行動トレンド分析
顧客分析の方法として、少し面白い『行動トレンド分析』という方法があります。
行動トレンド分析は、優良顧客に注目した手法といえるでしょう。
一定期間、いわゆるあるシーズンに的を絞って顧客により多く購買してもらうための分析になります。
シーズンものを扱うアパレル業界が主な対象になりますが、いつどのタイミングでどのように提案するべきか理解することが、自社の利益増加の一助になるでしょう。
分析手順の例としては、顧客を年齢別にグループ分けを行います。
そのグルーピングされた顧客が、いつシーズン商品を購買するか調査します。
そうすると、全体トレンドを形作っているのが、どのグループの顧客が見えてきます。
時系列トレンドの中で、特定のタイミングで発生する事象を見つけ出し、そのタイミングでキャンペーンを顧客に提案することが出来れば、「欲しいときに欲しいものを提案してくれる企業」として自社を評価してもらえるようになるでしょう。
顧客分析の方法⑤CTB分析
変わった顧客分析手法といえば、『CTB分析』ともいえるでしょう。
CTB分析は、Category(カテゴリ)、Taste(テイスト)、Brand(ブランド)の3つの指標を使って顧客をグルーピングします。
この手法で分かることは、顧客がどんな商品を購入するかを高い精度で予測できることと言われています。
カテゴリはレディース、メンズ、子供、生活、食品などの大分類や、ファッション、アンダーウエア、インテリア、キッチンなどの中分類、さらに細分化した小分類などを用います。
テイストとしては、色、模様、形、風合い、サイズなども含まれ、ブランドにはキャラクターなども含めます。
しかし、こういったデータを取れる手段があまり確立されておらず、通常のPOSデータでは取れる情報に限りがあるので、独自のシステムを導入する必要性があります。
まとめ〜顧客を分析のする5つの方法
いかに「自社にとって価値の高い情報」を抽出するかが重要で、それをいかに自社の収益UPへ持っていくためにアプローチするかがポイントになります。
分析手法は単なる手段に過ぎません。
属性やデータをもとに絞り込み、ターゲット顧客像を明確化していきましょう。
以下の記事では、顧客分析から顧客接点を強化する方法について、より詳しく解説しています!本記事と併せて、参考にしていただける内容となっておりますので、下記のリンクからぜひご覧ください!!
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