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エムズコミュニケイト 佐藤 信二
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こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月に大日本印刷グループよりMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ編集部です。
こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。
是非ご参考にしていただければ幸いです。
まず「顧客管理を始めよう」とExcelを使い顧客管理を行っている担当者も少なくないと思います。Excel専用の顧客管理テンプレートもいくつか無料で提供されていて、非常に便利に活用できます。個人で事業展開しているにしても、会社で顧客情報を管理するにしても、エクセルはある程度までは便利だと思います。
しかし、膨大なデータ量の管理となると、やはりExcelでは限界が来てしまうでしょう。
今回は、脱Excelをしてwebで始める顧客管理の方法をメリットともにご紹介したいと思います。
顧客情報をExcelで管理する上で大変なこと
冒頭でも述べましたが、個人で運営している、もしくは一人でしか管理しないのであれば普通のExcelでも十分かもしれません。
しかし複数人で管理している場合や、個人経営の場合でも顧客情報が膨大になれば、その分管理やセキュリティ面も心配が出てきます。
また、これは特に複数人が顧客データを利用・閲覧する場合に起こる問題ですが、一度に一人しかファイルにアクセスできないのは非常に不便です。
そんな中、顧客管理システムは、いずれもクラウド化が進み、情報を複数人で、あらゆる端末で利用できるようになりました。
Excelからの脱却は簡単!
実は、顧客情報をExcelで管理している企業は、大半が「顧客情報を管理している」という認識が薄いといわれています。というのも、単なる顧客情報を管理しているにすぎず、どちらかと言うと「顧客リストである」という認識が強いといわれています。なので、Excelで事足りてしまう、と考えがちなのです。
しかし、そもそも顧客管理システム導入というのは、「別の顧客リストシステム」を入れることではありません。顧客との中長期的な関係構築のための、企業の経営を助けるためのツールなのです。
よって、そういった認識がないと、せっかくの高スペックのシステムも活かしきれず失敗に終わってしまいがちです。なので、Excelからの脱却は難しいといわれている所以なのです。
しかし、実際にこの意識さえ変えてしまえば、Excelからの脱却はそう難しくないといわれています。
まずは、「顧客リスト作成」という概念から脱却しましょう。Excelでおこなっていたこととは全く別物だと認識しましょう。顧客の満足度向上や営業活動や販促に活かせるシステムだという認識を持つことです。
そして、次に重要なのは、いきなりシステムを「購入」しないことです。どういうことかというと、いくら便利な顧客管理システムといえども、全て色々な特徴や機能を有していて、業種などの相性も確かに存在します。なので、いきなり導入を決断するのではなく、「お試し」を行うことが重要です。基本的にクラウド版、オンプレミス版いずれも無料版の提供があるベンダーがほとんどです。なので、実際にシステムを試用してみて、使い勝手をみてみるのです。
これが一番重要なステップといっても過言ではないでしょう。実際に触れてみれば、使い勝手や向き不向きもある程度見えてくるでしょう。
そして、試用し終わったら、システムの機能について十分に検討しましょう。いくらハイスペックであっても、活用できなければ単なる宝の持ち腐れです。自社にとって、本当に必要な機能かどうかきちんと見極める必要があるでしょう。
顧客管理の方法と手法を考えてみる
顧客管理を大きな企業などでおこなう場合、データ量も膨大になりますので、顧客情報をExcelで管理するのは非常に無理があります。そこで、Excel管理以外の方法で、顧客管理をする手法をいくつかお話ししておきたいと思います。
そもそも顧客管理という手法は、各社要件が異なっているので、その会社ごとに適すツールは異なってくるでしょう。
まずは手法を選ぶ前に、考えるべきことや手法を選ぶ際に必要になってくることを、いくつか挙げてみたいと思います。
①顧客管理でなにをやりたいか
顧客管理で何をしたいか、といういわゆる「戦略」の洗い出しは必須です。
企業において、いずれも顧客は大事なのは事実ですが、それぞれ直面している課題は多様です。
自社の課題を正確に把握し、問題点は明確でしょうか?
自社の課題に対する、CRM導入の目的は明瞭になっていますか?
また、CRMにおいて重要なのは顧客視点です。利益追求ばかりになった戦略になっていないか確認する必要があるでしょう。
②他システムとの連携や、既存データベースとの引継ぎをする予定について
顧客管理をする上で、他のシステムとの連携などを考えている場合は、導入の条件がより厳しくなりますので、ここも見逃してはいけない点でしょう。
ベンダーによっては、他システムとの組み込みが難しい場合もあるので、試用をおこなったり、十分にヒアリングなどをして、見極めが必要になってきます。
また、既存データベースがすでに何かしら構築されている場合も注意が必要です。
もともとExcelなど、もしくは別のシステムなどでデータベースを作成していたとしたら、そのデータが導入しようとしているシステムに合うかどうかも考慮に入れなければいけません。
この既存データのデータベース化のハードルにはどんなものがあるでしょうか?
既存のExcelデータなどから顧客管理システムにデータを移動する際、意外に手間取るのが「データ整形」です。システムに見合った形にある程度データを整形する必要があります。
データの重複がないように、項目は登録されているか、大量の選択肢型項目を作りたい場合はどうするか、データの形式上の問題など、導入する顧客管理システムによって、懸念点はある程度あるでしょう。
そういったことをクリアするための作業は、ひとつひとつ細かくみていく必要はあるでしょう。
③想定される閲覧者
特にチェーン店などの店舗運営者は、どの担当者まで閲覧や修正、ならびにデータ入力者として想定しているかというのは重要なポイントです。
というのも、データの入力を正確におこなわれなかった場合は、分析結果などにも影響が出てきます。
きちんと顧客情報について責任持って、データ入力をする担当者をあらかじめ限定しておいたりすることも、ときには必要でしょう。
また、同時入力や、複数アカウント作成についても確認をとっておくべきでしょう。システムによっては、アカウントの数で従量課金になるシステムも存在しています。
④利用するデバイス
必ずしもパソコン上から入力できる必要もないかもしれません。
顧客情報を外出先から入力できることで、よりスピーディな意思決定や分析結果の排出、ならびにリアルタイムな結果を得ることができます。
そういったマルチデバイスに対応している顧客管理方法も、視野に入れると営業の効率化が図れるかもしれません。
自社がどういったデバイスで、利用を想定できるか、した方が便利なのか考えてみましょう。
さて、実際に顧客管理の手法について、いくつか挙げていきたいと思います。
1.CRM(Customer Relationship Management)
顧客管理といえば、「CRMシステム」と呼ばれるこのツールを想定する人は多数です。
それもそのはず、顧客情報を管理するためのツールであり、それに特化しているソフトウェアとして、あらゆるベンダーから提供されています。
詳細な顧客情報の分析はもちろんのこと、分析結果をもとにメール配信や顧客への販促をサポートする機能を持ったものなど、あらゆる充実した機能性を持ったものがたくさん世の中にはあります。
CRMの得意領域といえば、どんなことでしょうか?
- 初来店顧客へのフォローや既存顧客へのクロスセルを目的とした顧客へのメール配信
- 離反しかかっている顧客へのフォローや、以前顧客だった離反客への特別な販促
- 各種セミナー開催に付随するサポート業務(メール配信、DMデータ作成、アプリ上でのデータ発信など)
- 顧客アンケートや満足度調査の結果を分析に組み合わせる
- 顧客情報と、担当者入力などの履歴を組み合わせて保存できる
2.SFA(Sales Force Automation)
「営業支援システム」と呼ばれるこちらを、顧客管理ツールとして、採用している企業もいます。
このSFAというのは、企業の営業活動を支援し、効率化を図るツールです。CRMに対して、SFAが得意としていることは、以下のようなことです。
- 担当者別のの売上を簡単にレポートし、可視化できるような機能
- 担当者のタスク管理やアラート機能
- 見積書作成・請求書発行・日報管理などの営業サポート機能
顧客情報が、常に担当者情報と紐付いているというのが、大きな特徴といえるでしょう。視点が、担当者目線といえば分かりやすいかもしれません。
CRMとSFAは似ている部分もありますが、顧客数のボリュームによって導入金額が変動しやすいCRMに対して、使う担当者の数によって従量課金されるSFAといった違いもあるでしょう。
最終的に何がベストかは、要件や企業の社内事情などによって変わってきます。
3.会計ソフトウェア
少しマイナーではありますが、顧客管理ツールとして「会計ソフトウェア」を導入するケースも考えられます。
その理由としては、顧客を「金銭の出入りする対象」としてみている場合です。もしくは、会計管理をより重視し、それに付随したコンテンツとして、顧客管理をまずは考えているケースです。
そもそも、会計ソフトウェアというのは、企業に入ってくるお金や出て行くお金をきちんと管理するために作られたものです。当然顧客が企業から何か購買した場合は、金銭の動きがあるので、理にかなっているといえばそうかもしれません。
しかし、営業・マーケティングに特化して活用したいと考える企業にとっては、機能が限定される会計ソフトウェアは十分な役割を果たさないケースも多々見受けられでしょう。
それ以前の前提として、企業の基幹系システムとして設計されている会計ソフトウェアを、無理にマーケティングツールとして利用することは想定されていないので、利用の柔軟性に欠けてしまうのは想定されます。
Webでの顧客管理にはまずクラウド型の導入を
Excelからの脱却第一歩のシステムは、できればクラウド型からスタートするのがベターでしょう。というのも、オンプレミス型は運用初期コストが膨大にかかる上にサーバーを構築する必要があるので、導入までの期間がある程度発生します。
そうなると、なかなか「失敗できない」のです。それに比べて、クラウド型はすでにベンダーにあるシステムをインターネット経由で利用するものですので、比較的短期間で運用開始できます。またランニングコストは毎月かかるところも多いですが、初期費用は抑えられるので、万が一失敗したり、合わなかったりしても、被害は最小限で済ませることが出来るでしょう。
その後、状況に応じてオンプレミス型に移行したり、はたまたクラウド型でも本格的なシステムを導入するか検討しても良いかと思います。
考慮するべきなのは、クラウド型もしくはオンプレミス型いずれにしてもメリットデメリットが存在します。その両面をよく理解した上で導入をすることが大事でしょう。
まとめ〜改めて考える顧客管理の方法
Excelから脱却し、Webで顧客管理を始める上で一番重要と思われるのは、「意識改革」です。
もうExcelで作っていた顧客リストの概念を捨てることが必要です。
今いる大切な顧客とどう関係を気付いていきたいか、どのように自社の商品を顧客に伝えていくか、そういった顧客とのコミュニケーションが近年は主流になってきています。
なので、Excel上でただ顧客情報の文字だけを集めるのだけでなく、顧客のニーズ理解や顧客像をしっかりと把握していきましょう。
そういった顧客関係構築に、こういったサービスが必要とされているのです。
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