ポイントサービス・CRMでお悩みの企業担当者様へ

TポイントとVポイントの統合。今後の共通ポイントの動向とは?

The following two tabs change content below.

エムズコミュニケイト岡田 祐子

代表取締役社長/ポイントマーケティングラボ所長/日本リテンション・マーケティング協会理事株式会社エムズコミュニケイト
■ 2003年に国内唯一のポイントサービスコンサルティング会社エムズコミュニケイトを設立、ポイントサービスやCRM・顧客戦略分野のコンサルティングや各種講演、執筆活動を行っている。 ■ 「ガイアの夜明け」にも出演。番組は反響を呼び、日経文庫にも掲載された。 生活者に支持されるポイントサービスを「ポイントブランド力」とし、そのランキングを定点的に発表。 ■ 著書:「成功するポイントサービス」(日経MJの推薦書/丸善ビジネス書10位内ランクイン) ■ 2016年から総務省マイナンバーカード利活用に係る「マイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会」におけるポイントサービス有識者として地域経済応援ポイントに関する推進役を担っている。

カルチュア・コンビニエンス・クラブの「Tポイント」と三井住友フィナンシャルグループの「Vポイント」が統合するというニュースを、2022年10月3日、各メディアがトップニュースとして取り上げました。

ソフトバンクとヤフー陣営が有するPayPayが参入したことで激動の最中にある共通ポイント市場に、さらなる波が立ち上ってきています。

本記事では、両ポイントの統合の概要から背景、今後の共通ポイント市場の動向まで、詳しく解説していきます!

〈この記事はこのような疑問にお答えします!〉

  • TポイントとVポイントの統合で何が起きるの?
  • Tポイントの最近の流れと今回のニュースはどう関係しているの?
  • ポイントの導入を考えていて、共通ポイントの今後の動向は?

 

【概要】VポイントとTポイントの統合

2022年10月3日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCCグループ) と三井住友フィナンシャルグループ(以下、SMBCグループ)が資本・業務提携に関する基本合意書を締結したと発表されました。

両社のプレスリリースによると、CCCグループの「Tポイント」とSMBCグループの「Vポイント」がそれぞれの強みを掛け合わせ、互いのポイントの貯まりやすさ、使いやすさを大幅に向上させることを目的に、両ポイントを統合し、新たにポイントサービス開始を視野に入れた基本合意であることがわかります。

T会員7,000万人のCCCグループカード会員と5,200万人のSMBCグループの統合とあり、発表当初は単純計算で総会員数が1億2,200万人の国内最大級となると報じられました。しかし実際には、SMBCグループのカード会員の5,200万人のうちVポイント会員数は2,000万人であるため、単純計算の総会員数は9,000万人になるといわれています。

そもそもTポイント、Vポイントとは?

 

(https://www.smbc-card.com/company/news/news0001713.pdfより)

Tポイントとは、2003年にCCCグループが運営を開始した共通ポイントの老舗で、名寄せ後の利用会員数は7,000万人、提携店母数15万店舗で利用されています。キャッシュレス決済や現金払いなどのあらゆる決済手段で、Tカード/モバイルTカードを提示するとポイントを貯められ、支払いにポイントを使うこともできます。

一方のVポイントは、2020年6月にSMBCグループのグループ内共通ポイントです。三井住友カードでの決済や三井住友銀行での取引、プロミスの利用などでポイントを貯められ、貯まったポイントは買い物や支払い金額の充当のほか、景品交換や他社ポイントへの移行、また三井住友銀行でのオンライン振込時に手数料の割引として使うこともできるサービスです。

統合後の新たなポイントとはいったいどんなサービス?

 

両社グループは、それぞれのポイントサービスの提携に留まらず、ポイントと決済を組み合わせた、新たなモバイル決済サービスの展開も検討していく方針を示しています。

CCCグループとSMBCグループは、両ポイントを統合し、ポイントの貯まりやすさ、使いやすさを大幅に向上した新しいポイントサービスを創出するとしています。具体的には、

  • Tポイント提携店で新ポイントが貯まり、使える
  • 三井住友カードが発行するカードで新ポイントが貯まり、使える
  • SMBCグループのサービス利用で新ポイントが貯まる
  • Visa加盟店で新ポイントが使える

上記4点を新ポイントの特色として挙げています。

現行のサービスではVポイントをTポイントに移行することができ、両ポイントの1ポイント当たりの価値が異なる仕様となっています。今後両ポイントの統合により、消費者が現在保有しているポイントはどのような扱いになるのか等、細かな点での運営の在り方には注目が集まるでしょう。

(参考:https://www.ccc.co.jp/news/2022/20221003_002416.html, https://www.smbc-card.com/company/news/news0001713.pdf)

【背景】共通ポイント市場の競争激化

TポイントとVポイントの統合の裏には、どのような背景があったのでしょうか。

両社グループのポイントサービス統合に向けた話し合いは、2022年夏に始まったとする報道もあり、今回の基本合意の締結が9月30日だったことから、スピード合意が行われたことが分かります。

このスピード合意の背景にあるのは、共通ポイント市場の競争激化に伴うTポイントの危機感だといわれています。

2003年に本格的に運用が始まったTポイントは、当時は業界横断で一業種一社に限定したパートナー選びを行い、各業界の大手同士が送客し合うことを主軸にした非常に画期的なビジネスモデルでした。このようにポイント事業の草分け的存在のTポイントですが、提携先の離脱の動きが見え始めると、築き上げた企業同士の網の目が崩れ行くばかりで、連鎖的に衰退していきました。ファミマのマルチポイント化や、ソフトバンク・ヤフー陣営のPayPay運用開始は、Tポイントにとって特に大きな打撃だったといえるでしょう。

また、消費者も複数の共通ポイントを利用するようになり、加盟店側もマルチポイント化を進めたり、Tポイントから離脱したりする動きが顕著になったことで、企業・店舗がTポイントを導入すること、消費者がTポイント会員になることの本来のメリットは薄くなりつつあります。

そして現在、共通ポイント市場の顔ぶれはTポイントの他、dポイント(ドコモ)、Ponta(au)、楽天(楽天モバイル)と、新生のPayPay(ソフトバンク)、と携帯キャリア4社が並んでおり、今ではポイントビジネスの主戦場が「スマホ上」となっています。

自社のスマホユーザーをそのまま囲い込む携帯キャリア4社に比べ、他事業との連携が薄いTポイントの優位性は以前ほど高くはなくなっているのです。

このような共通ポイント市場のこれまでの流れとTポイントの衰退を前提として、この度TポイントとVポイントの統合のニュースが流れたのです。

以下の記事では、PayPayの共通ポイント市場参入について詳しく解説しています。本章の内容と併せてご覧いただくと、共通ポイント市場の昨今の動向をより深くご理解いただけると思います!ぜひリンクよりご確認ください!!

【レポート】PayPay 2022年10月より共通ポイント市場に参入

 

では、このような経緯の末に発表されたこの度の統合により、両社にはどのようなメリットが生じるのでしょうか?

Tポイント、Vポイント双方へのメリットとは?

CCCグループ側のメリット

  • 後ろ盾の獲得

上にもあるように、共通ポイント各社はモバイルキャリアという後ろ盾を有している一方で、TポイントはCCCグループ単体で運営されてきました。SMBCとの統合は、金融業界大手の後ろ盾を得ることとなり、新たなポイント運営の基盤を固めることに繋がるといえるでしょう。

  • ポイントを利用できる店舗の拡大

Vポイントとの統合を受け、Vis加盟店もポイント利用可能店舗となるため、その利用シーンは大幅に増える見込みです。ポイントを利用できる機会が増えるということは、共通ポイントを導入する企業側としても、より多くの消費者を囲い込めるチャンスが得られるため、現在加盟企業の離脱が相次いでいるTポイントですが、新ポイントとして巻き返しを図れるかもしれません。

SMBC側のメリット

  • ポイントサービスとしての汎用性向上

これまでVポイントはクレジット決済でしかポイントを貯めることができず、またポイントの利用方法は交換が中心で、支払いに使うことが出来ませんでした。新たなカードでは、クレジット決済をせずともポイントを使え、また支払いをポイントで行うこともできるため、消費者の利用シーンが広がります。

  • 知名度向上

また、これまでVポイントの知名度は決して高いものではありませんでした。Tポイントという共通ポイントの老舗との統合となると、こうしてニュースとしても取り立たされているように、知名度向上の効果は言うまでもないでしょう。

今後の共通ポイント市場の動向

では、今後の共通ポイント市場はどのような道筋を辿っていくのでしょうか?

先にも触れた通り、ポイントサービスの主戦場がスマホとなったことから、共通ポイントをマルチ利用するなど、通称「ポイ活」(ポイントを貯めたり、貯まったポイントを活用したりすること)を行って賢くポイントを活用する消費者が増えています。ポイントサービスの本来の目的である「顧客の囲い込み」と「ターゲティング」が、賢い消費者の行動により叶えにくくなっているというわけです。

結果として、共通ポイント各社は過剰な還元を行い、体力勝負の競争を行う動きが見られます。この傾向は、各社が経済圏による囲い込みと引き換えに疲弊していくこととなり、将来的には競争からの離脱を招く可能性もあるとの見方もあります。

当サイト「ポイントマーケティングラボ」を運営する株式会社エムズコミュニケイトとしても、この度のTポイントVポイントの統合を受け、各種メディアにコメントを寄せています。

【2023/10/03放送 TV東京 ワールドビジネスサテライト】株式会社エムズコミュニケイト代表兼ポイントマーケティングラボ所長岡田

「ポイントの払い出しコストもあり、手数料も下げなければいけない中でこのままだと事業会社が疲弊してしまう。その先のビジネスモデルをどう作っていくかが要になる。」

【2022/10/04 zakzak by 夕刊フジ】株式会社エムズコミュニケイト取締役山根

「他社が決済と連携したポイント付与に力を入れる中、Tポイントは決済が一番弱かった。キャンペーンも乏しく、三井住友カードとの連携でどれだけ巻き返せるかが注目だ」

まとめ

TポイントとVポイントの統合について、ご理解いただけましたでしょうか。

一消費者としても、ポイント導入を検討する一担当者としても、今後の共通ポイントの動向は注視し続ける必要がありそうです。

(参考:https://diamond.jp/articles/-/310904?page=2, https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2210/04/news065.html)

本サイトでは、これまでにもTポイントの動きやPayPayが参入した共通ポイント市場のトレンドについて取り上げてきました。以下のリンクより、過去の記事もお読みいただくと、この度のニュースへの理解も一層深まるかと思います!

ぜひ、本記事と併せてご覧ください!!

相次ぐTポイントからの離脱…理由と今後の共通ポイント市場の動きとは

 

ポイントサービス導入をご検討の会社様は、弊社エムズコミュニケイトにご相談ください!

国内唯一・取り組み実績(エムズコミュニケイト)

国内で唯一のポイントサービスに特化したマーケティングコンサル会社です。これまでのポイントサービスの導入・改善支援は300社以上あり、通販、小売り、サービス、金融、鉄道・航空、ガス電力など幅広い業界において実績があります。

※ポイントサービス導入改善に関する国内初の指南書を出版

「成功するポイントサービス」(WEVE出版)

https://www.emscom.co.jp/special/book/

サービス設計からシステム導入・運用までワンストップ支援

顧客課題を解決するサービス設計からシステム導入・運用まで、ポイントサービスにまつわる業務全般をワンストップでご支援することが可能です。ポイントサービス戦略設計、システム構築、個人情報管理、運用支援、プロモーション、カード発行、コールセンター、ポイント交換商品の発送管理など上流~運用までを網羅的にサポート可能です。

③ポイントサービス運用に関する法的・会計面のサポート

ポイントサービスの運用に必要な法的(景品表示法)、会計面(2021年から上場企業に強制適用されるポイント会計)において十全なノウハウを保有しサポートします。

※ポイント会計についてはEY新日本監査法人への執筆協力で『ポイント制度のしくみと会計・税務』(中央経済社)を出版。

https://www.emscom.co.jp/special/new-book/

④中立性を加味したシステムベンダー紹介

ポイントサービスのコンサルティング支援にあたり、ポイントシステムベンダーについては、中立性を重要視しております。貴社のニーズにあったベンダー紹介および、システムのカスタマイズ提案が可能です。

より詳細なご相談メリット等はこちら>

 

ポイントサービス・CRMでお悩みの企業担当者様へ

ABOUTこの記事をかいた人

■ 2003年に国内唯一のポイントサービスコンサルティング会社エムズコミュニケイトを設立、ポイントサービスやCRM・顧客戦略分野のコンサルティングや各種講演、執筆活動を行っている。 ■ 「ガイアの夜明け」にも出演。番組は反響を呼び、日経文庫にも掲載された。 生活者に支持されるポイントサービスを「ポイントブランド力」とし、そのランキングを定点的に発表。 ■ 著書:「成功するポイントサービス」(日経MJの推薦書/丸善ビジネス書10位内ランクイン) ■ 2016年から総務省マイナンバーカード利活用に係る「マイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会」におけるポイントサービス有識者として地域経済応援ポイントに関する推進役を担っている。