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エムズコミュニケイト 佐藤 信二
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こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月に大日本印刷グループよりMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ編集部です。
こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。
是非ご参考にしていただければ幸いです。
GO TO トラベルで獲得した新規顧客、既存顧客に対してどのような顧客管理をしていけばよいかお困りの企業担当者様は、多くいるのではないでしょうか。
今回は、ホテルや旅館業で成果を出し、顧客から高い評価を受けている顧客管理ツール(CRM)の例を見ていきたいと思います。
業界の異なる担当者様でも非常にご参考になりうるのが、ホテルや旅館の顧客管理なので、是非考えて見ましょう。
顧客管理をどのようにして、ホテルや旅館業に用いるか?
言わずとしれた顧客管理は様々な業界で、用いられています。顧客向けのビジネスを営んでいるのであれば、それは必須とも言えるでしょう。
特に、顧客とダイレクトに接する機会の多い、ホテルや旅館などにおける顧客管理は非常に重要な要素になります。決して安くない金額を顧客は企業に支払うのですから、一度失望されてしまえば、戻ってくるには非常に難しい状況になりうるでしょう。その反面、顧客を魅了できれば、何度でも訪れてくれる可能性はあるでしょう。それだけ、ひとりひとりの顧客に対する対応が重要なのはこの業界の大きな特徴かもしれません。
この業界では有名な「星野リゾート」では徹底した顧客管理と、その管理から導きだされた手法でひとりひとりの顧客と向き合っているようです。実際、どんなことを実践されているのでしょうか?いくつか例を挙げてみたいと思います。
1.顧客満足度調査に全力をそそぐ
データをもとに、従業員全員が顧客と向き合うのが、いわゆるカスタマーセントリック(顧客中心主義)の究極かもしれません。星野リゾートは、20年以上も前の1994年から顧客満足度調査を実施し、顧客の声を定量的に把握しているようです。またその手法も進化しています。以前は紙の用紙による実施であったのですが、最近はURL記載の紙を配布し、帰宅後に回答できるように顧客の時間を取らせないように声を拾うようにしているようです。
さて、この顧客満足度は、顧客からの不満点を聞き出すという名目ではないところが、また意外で面白い点かもしれません。というのも、星野リゾートではこの満足度の調査は「成績表」ではなく、日常業務を改善するための「健康診断」としているというのです。
一般的には、顧客満足度を調査し、そこから課題を導きだすことによって何かしらの打開策が打てると考えるでしょう。顧客満足度が上がればリピート化が進み売上が向上し、それによって、値引き等の販促費も抑えられるため、利益も上がるというようなシナリオでしょう。
それに対して星野リゾートの場合は少し趣向が違っています。ような「現時点で顧客にどのくらい満足してもらえているか」というのを測るのに使用しているとのことなのです。
全体のうちある割合の質問が、一定のポイントを維持しないと「利益」にも「リピーター」にもつながらないことが分かっているそうです。また、ある質問内で、顧客が「不満なし」という評価であれば「利益」や「リピーター」にさほど影響が出ないということも分かっているのです。
このように、日ごろのサービスが顧客にどう受け取られてもらえているかという『デイリーチェック』という役割を果たしているのは重要なポイントでしょう。
2.従業員の業務はマルチタスク化
顧客管理という観点では、この論点は少しズレてしまうかもしれませんが、これは「顧客ニーズにどのように応えているか」という観点において重要な要素ですので、あえて挙げています。
どういうことかというと、顧客管理をして素晴らしいアンケートで、いろいろな顧客の声を聞くことができても、それが実際に企業の何らかの活動に活かされなければ何の意味もありません。もっと言えば、従業員がその結果を元に、何かの行動ができなければ意味がないとも言えます。
星野リゾートの場合、スタッフをマルチタスク化しています。その名前の通りで、1人のスタッフが特定の業務のみを担当するのではなく、複数の業務を担当することを意味しています。同じスタッフが1日のなかで、調理・配膳や受付、客室清掃など、宿泊全体のさまざまな顧客との接点においてあらゆる仕事を担っています。このように複数の役割を担うことで、「それは自分の仕事ではない」といった意識問題を回避することができます。
誰もが、「これは自分の仕事ではない。他のスタッフがやるべき業務だ」という言い訳は出来ないということなのです。どの仕事にも当事者意識を持ち、アンケートなどから得られた顧客の声に「自分が応えていく」という意識状態に持っていくのが狙いと思われます。
企業規模が大きい企業にとって、課題に気づいても改善されずに放置されたままになりがちですが、それを回避し、顧客への還元を「全員」で出来るようにしているのです。
ホテルや旅館で満足して貰う顧客管理の方法とは?
ホテルや旅館でも、顧客に満足してもらってリピートしてもらうことが非常に重要です。そのために、いわゆる『顧客の囲い込み』は必要になってくるでしょう。実践されている顧客管理の手法についてまとめてみたいと思います。
【パーソナライズされた「ひとりひとり」への施策でおもてなし】
あらゆるホテルや旅館では、趣向を凝らし顧客の満足を得ようと画策していますが、世界規模でホテル・チェーンを展開するザ・リッツ・カールトンの場合はどうでしょうか?言わずと知れた、ホスピタリティの高い接客で有名なホテルですね。
それもそのはず、接客から知り得たお客様の情報を漏らさずメモし、従業員が情報を共有するよう徹底されているからです。こういった細かな顧客情報管理は、あらゆる感動をもたらします。その顧客がリピートしてくれた際には、好きな食事メニューやアルコールだけでなく、新聞や枕の好みまで応えてくれます。それだけ、「ひとりひとりの顧客」を大事にしているのがわかります。
また、上記で例に挙げた星野リゾートも例外ではありません。既に説明したように、顧客の声には真摯に耳を傾けています。たとえば、「部屋のCDを増やして欲しい」といった要望があれば個々に検討しているそうです。年間の国内旅行のうちに星野リゾートを利用する消費者が増えてくればいいと思い、そういった声を大切にしているのです。
また、老舗温泉旅館でもこういった顧客情報は一元管理され、スタッフ間の共有はしっかりとされています。神奈川県秦野市の「元湯陣屋」は、囲碁や将棋の対局でもよく知られる旅館です。
同館では、顧客情報を一元化・共有化することにより、顧客の満足度を高めるのに役立てています。リピーター顧客の利用履歴や、前回宿泊時の情報を元に万全の体制で準備することが可能です。
予約している顧客の個々の情報がを把握することによって、好きな食べ物・苦手なものさえも共有されます。このようにひとりひとりへの細かいサービスができるようになっているようですね。
まとめ〜ホテルや旅館の顧客管理おすすめします!!
「もっとうちのホテルや旅館を利用してほしい」と、どの業界関係者も考えていることでしょう。そのためには、総じて徹底した顧客管理を一括すること、それを共有化することが一つの道であることがお分かりいただけたと思います。
年々消費者の目は厳しくなってきて、それはこの業界でも同じことでしょう。どれだけひとりひとりにきめ細やかなサービスが提供できるかが、顧客満足度に繋がってくるのですが、それを実現するための効率的なシステムは非常に有用です。
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