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プロが教えるポイントカードの仕組みや導入する際の注意点

目次

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エムズコミュニケイト岡田 祐子

代表取締役社長/ポイントマーケティングラボ所長/日本リテンション・マーケティング協会理事株式会社エムズコミュニケイト
■ 2003年に国内唯一のポイントサービスコンサルティング会社エムズコミュニケイトを設立、ポイントサービスやCRM・顧客戦略分野のコンサルティングや各種講演、執筆活動を行っている。 ■ 「ガイアの夜明け」にも出演。番組は反響を呼び、日経文庫にも掲載された。 生活者に支持されるポイントサービスを「ポイントブランド力」とし、そのランキングを定点的に発表。 ■ 著書:「成功するポイントサービス」(日経MJの推薦書/丸善ビジネス書10位内ランクイン) ■ 2016年から総務省マイナンバーカード利活用に係る「マイキープラットフォームによる地域活性化方策検討会」におけるポイントサービス有識者として地域経済応援ポイントに関する推進役を担っている。

こんにちは。CRM/ポイントサービスコンサルティングのエムズコミュニケイト(2018年4月より大日本印刷グループからMBO致しました)が運営するポイントマーケティングラボ所長の岡田祐子です。

こちらのサイト、ポイントマーケティングラボでは、企業・事業会社のマーケティング・販売促進の担当者・事業責任者の方々に向けて、ポイント制度の導入やCRMのノウハウについて、プロの視点から惜しみなく情報を発信して参ります。是非ご参考にしていただければ幸いです。

それでは、以下から本題です。

 

顧客管理をする上で、ポイントカードを導入することは非常に有効な手段といえるでしょう。

特に小売業界では、ポイントカードがないところがない、といえるほどポイントカードが使われています。

企業側の意図としては、もちろん顧客の囲い込み、またそれによる売り上げの向上があります。
また、顧客データの収集を目的としているところも多いでしょう。

しかし、戦略的なポイントカードの活用をしている企業は果たしてどのくらいいるのでしょうか?

今回は、ポイントカードの仕組みや導入・運用する上での注意点を改めておさらいしてみたいと思います。

ポイントカード導入の前に〜ポイントカードの仕組みとは?

 

「顧客が企業のサービスの利用する状況・ステイタスに応じてポイントが発行され、それを顧客が貯めていける仕組み」

これがポイントカードの基本的な仕組みです。

また、近年はポイントカードを発行してアナログ管理するよりも、顧客データの価値を有効活用するためにデジタル管理している企業が多いでしょう。

入会金や年会費に関しては、顧客へのカードへのハードルを下げるために無料ができるところが増えています。

また、店舗個別ポイント制度のところもありますが、いくつか店舗で提携して共通ポイントカードとして発行している場合もあります。
(Tポイント、ポンタカード等)

顧客を複数回来店・再訪させる仕組みとしては、ポイントカード自体に仕掛けを作るのも、一つの手です。
よくあるのは、あと何ポイントで「○○と交換できる」と記載することで、いわゆる『にんじん』をぶら下げるような効果があるでしょう。

ポイントカード導入の前に〜ポイントカードの機能とは?

それではポイントカードの機能は具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

以下にポイントカードを導入する事で得られるメリット、
つまり企業がポイントカードを導入するメリットについて一覧にしてまとめてみました。

  1. 顧客の囲い込み
  2. 再来店の促進
  3. 客単価アップ
  4. 優良顧客の識別
  5. 顧客満足度向上
  6. 競合店との差別化

おおまかに分類すると上記の6つがポイントカードの導入の際に考えられます。

次のトピックスで、企業がポイントカードを導入する事の具体的なメリットについて解説していきますね。

企業側:ポイントカード導入のメリット

1.顧客還元の機会の創出

ロイヤルティマーケティングの観点からいえば、ポイントカードによって優良顧客への還元を作り出すことができます。

優良顧客は、企業への利益をもたらしてくれる重要な存在です。

長く顧客として居てくれれば居てくれるほど企業にとってはメリットです。
優良顧客維持には、企業が提供する商品の満足度はもちろんのこと、それ以上の付加価値を実感してもらい満足度を上げることがポイントです。

ポイントカードが付加価値の一部を担っているとも言えるでしょう。

安易な値引きではなく、貯めたポイントを金券や割引券と交換できること、
つまりポイントカードによって還元機会を提供できるのです。

 

2.顧客データの取得・管理

ポイントカードの導入をデジタルで管理を行えば、管理の煩雑さは半減するでしょう。
顧客データは顧客へのサービス向上に役立てることのできる貴重な情報です。

顧客を自社のビジネス・マーケティング視点に分類する事で、
対応やサービスの見直し等に有効活用できるようになります。

 

3.データの活用が可能

上記の顧客データを活用すれば、企業にはさまざまなメリットがあります。

まずは、企業から顧客へのアプローチができるという点でしょう。
いわゆる販促ができるということです。

また、ポイントカードに記載してもらったデータから、ロイヤルティを上げる施策も可能です。
たとえば、顧客の誕生日に特別なクーポンを発行して来店を促す施策、はわかりやすい例だとおもいます。

さらに、顧客のデータと購買データを紐付ければ、ひとりひとりに焦点を当てた商品のリコメンドも可能です。商品開発や陳列配置にも貢献できる可能性も高まるでしょう。

最近ではDMP(データマネジメントプラットフォーム)を構築して、デジタルマーケティング・インターネット広告と連携する事で、
既存顧客管理だけでなく、見込み客の集客にも活用する企業が増えています。

4.間接的な来店促進

直接的な販促プロモーションではなく、顧客自身に「ポイントを貯めたいから、あのお店で買おう」と思わせる促進方法す。

そのポイントを貯めることが顧客にとってメリットであれば、もしくはメリットと感じてもらえれば、間接的な顧客の囲い込みにつながるでしょう。

5.他社との差別化

もはや、競合他社もポイントシステムを導入しているところは多いので、ポイントシステム導入自体が差別化になることは少ないでしょう。
であれば、独自のメリットをポイントシステムを通して顧客に提示するという施策が有効になって来ます。

特に消耗品やあまり他社と差別化を図れない業態にとっては、顧客を簡単に他社に取られてしまいがちです。
顧客に飽きさせない工夫や仕組みをいかに用意できるかが、競合との差別化につながる野です。

他社との差別化に繋がる「ポイントカードの面白い特典」ついて知りたい方はこちらの記事をご覧ください!

ポイントカードの面白い特典7選!事例から紐解く成功の秘訣とは!?

顧客側:ポイントカード導入のメリット

ここまで企業側の視点で、ポイントカードのメリットをご説明してきました。

続いては、顧客側の視点からどのようなメリットがあるのか見ていきたいと思います。

1.割引やクーポンがもらえる!

ポイントを貯めると割引券がもらえたり、もしくは貯めたポイントで次回以降の割引サービスを受けることができたりするのがよくある例ではないでしょうか。

ポイント自体が商品購入に使えるのは、一種のお店独自の電子マネーのような役割を担っていますね。

また他には、ポイントを貯めて、それを特別なクーポンなどに交換することも可能です。
たとえば、映画を鑑賞して得られるポイントを貯めて、そのポイントの一部を鑑賞チケットに交換できるのも、サービスの一例ともいえるでしょう。

2.よりニーズに合ったサービスを受けられる

企業がポイントカードから得た情報を通して、顧客の購買履歴など好みを知る機会ができることで、より顧客ニーズに合ったアプローチをしてくれる可能性が高くなり、より良いサービスを享受する機会が増えます。

具体的に言えば、Tポイント提携店舗などで何かを購入したときに、レシートと一緒にクーポンが渡されます。
このクーポンは、ランダムに発行されるものではなく、実は今までの購買履歴などから見て、購入者の好みや傾向を鑑みて発行された「意図されたクーポン」なのです。
それゆえ、顧客側としてはいわゆる「使いやすい」と感じるクーポンになります。

また、思わず嬉しくなるような限定品をもらったり、限定サービスを受けることもあるでしょう。
たとえば、イケアは「お泊り会」と称した会員限定のイベントで、閉店後の店舗に顧客を招待し、文字通りイケアにお泊りができるイベントを開催しています。
レストランでのスペシャルディナーなど、そのイベントでしか体験できない特別なものが用意されていて、非常に評判が高いものになっています。

3.お得なキャンペーン情報を知ることができる

そのブランドのファンであったり、そのお店の商品が好きな顧客にとって、お得なキャンペーンの情報や、新作キャンペーンの情報は見逃せない情報の一つです。

ポイントシステムによって、会員になった顧客に良い情報が手に入る、これも顧客側のメリットの一つなのです。
お得と思わせる情報を顧客に流す企業側の努力が必要なのは言うまでもありません。

企業側:ポイントカード導入の注意点やデメリット

よく耳にするのが、ポイントカードを導入したが上手く活用できずに失敗に終わってしまったということもあります。

上記でみたように、ポイントカードを導入し、しっかりとした管理や告知を上手くすれば、企業側も顧客側も関わる人にとってプラスな要素が詰まっています。

しかし完全な様に見えるポイントカードですが、先ほども述べたように、ただただポイントカードを導入しても失敗に終わることもあります。
なので、ポイントカードを導入する際に、注意するべきことや、懸念される点を見ていきましょう。

1.成功させるには綿密な設計が必要!

メリットで述べたところと、あえて矛盾したことを言います。

ポイントカードを顧客満足度と紐付けることは非常に難しい点にあります。確かに成功すれば、顧客満足度は上がります。

ただし、満足度を上げるには、十分に検討された施策が必要になります。そもそもポイントカードを持つこと自体がハードルが高くなっています。というのも、どの店に行っても「ポイントカード」ばかりで、財布がかさむポイントカードはこれ以上持ちたくないと思う顧客もいるでしょう。

また、ポイントカードをめでたく持ってもらっても、何が顧客の望むインセンティブなのでしょうか?十分に考慮されるべきポイントとも言えるでしょう。闇雲に割引をしても、逆に企業のコストとなってしまうので、顧客にポイントカード浸透させて、顧客への還元までの流れを十分に練る必要性があります。

2.多くの店舗や企業では、データを効果的に使っていないのが現状

なぜこのような事態が起きているのでしょうか。これは、特別な計画も特にせず、競合他社などに影響されて闇雲にポイントカードを導入してしまった場合かもしれません。

いずれにしろ、ポイントカードの持つ特性やデータの利用価値上手く見出せず、宝の持ち腐れになってしまい、せっかくの価値を損失してしまっているパターンは多く見受けられるでしょう。

ポイントを貯めて、顧客に還元するだけがポイントカードの役割ではありません。データを利用すれば、商品の配置や来店頻度の低い顧客へのアプローチ(割引券や特別クーポン)も可能です。ほかには、購入傾向を分析して、同じようなデータをを持った客に、同じ商品を勧めてみるのも有効でしょう。

3.償還されないポイントが財務リスク

ポイントが金券などになる場合、顧客がポイントを貯めたままということもありえるでしょう。その場合、企業は負債としての計上が必要となります。大体は、換金率は企業にとって大きいので、一般的には失効期限を設けています。大体1~2年ほどでしょう。

4.管理不足や店舗スタッフの業務量の増加

ポイントカードを導入することで、当然ながら担当者の時間は取られるようになります。余分な業務量を増やしてしまうのは、好ましくないです。オペレーションの周知や、ルールの徹底、管理方法を事前にしっかりと決めておくべきでしょう。

顧客側:ポイントカード導入の注意点やデメリット

企業側のからのポイントカード導入の注意点や懸念されることを見ました。同様に私たちが買い物をする際にポイントカードに対し、マイナスな印象を受けることもあります。

たとえばですが、「ふと財布の中を見てみるとポイントカードだらけになってしまった。」「ポイントが多くつく日だからと思いついついいらない買い物をしてしまった。」といったことを経験したことのある方も少なくないのではないでしょうか?

ポイントカードの導入を考えている企業の方には、是非とも顧客側が感じるデメリットや注意するべき点を考慮して頂きたいと思います。

1.ポイントカードが増えることの煩雑さ

そもそもポイントカードを持つこと自体がハードルが高くなっています。というのも、どの店に行っても「ポイントカード」ばかりで、財布がかさむポイントカードはこれ以上持ちたくないと思う顧客もいるでしょう。

最近では、ポイントカードの形態を昔ながらの紙にこだわらず、スマホのアプリでポイントカードの役割をさせているものもあります。

アプリであれば、カードを失くす心配はないですね。

2.無駄なお知らせが届くようになる

企業は、ポイントカードを作った顧客にはここぞとばかりにアプローチをしてくるため、顧客の元には必要のないDMやメルマガがたくさん届くようになるでしょう。

DMやメルマガがあまりにも多いと、顧客自身はそのブランドや企業名を見ただけでゴミ箱に捨ててしまうことも多々あります。企業としては、そういった事態を避けたいところですね。「無駄」にならないように「無駄なお知らせ」をするのはやめましょう。

厳選して、消費者がお得と思ってくれるようなアプローチを工夫する必要性があります。

3.ポイントに振り回されて余計な買い物をしてしまう

これはむしろ、企業にとっては嬉しいことでしょう。

「ポイント5倍デーだから、本当はまだ使わない○○だけど、先に買っておこう」という気持ちになって、普段なら買わないはずのものをカゴに入れていることもあるかもしれません。

これこそ、企業側にとっては「狙っていること」なのでしょう。

ポイントカードシステムを導入する際、自作すべき?ASPにすべき?

ポイントカードのシステムを導入する際に皆さんが悩まれる点として、自社で開発すべきなのか?それともASPなどのパッケージソフトをレンタル導入すべきなのか?という観点があるかと思います。

結論、どこまで自社オリジナルの機能を追加したいかによるかと思います。

そこまで独自機能を追加する見込みがないのであれば、正直ポイントカードシステムにおける機能というのはある程度定義が固まってきているため。専門ソフト会社のASPの導入を検討していく方が良いかと思います。

ポイントカードシステム・ASP事業者は複数ありますが、企業規模や業界とのマッチ度の違いはありますが、それぞれ機能や価格帯についてはものすごい違いは正直ありません。

 

ポイントカードシステムの導入後の顧客管理の方法やリスクは?

実際にポイントカードシステムを導入し、運用をスタートした後には、大量の顧客データを保持する事となり、顧客情報の管理が必要となります。

恐らくですが、企業のご担当者の皆さんからすると、既存の顧客情報データベースと、ポイントカードを発行済みの顧客データベースをどう住み分けて管理すべきか?という点で疑問を持たれているのではないでしょうか。

結論から言うと、単純に既存の自社の顧客データベースに1つテーブルを追加していただき、ポイントカード専用のユーザーIDを付与していただければ問題ありません。

そのIDをポイントカードシステム上で紐付けてカードユーザーの情報管理を行う事が可能です。

ですので、まずは自社の顧客管理システム側で新規の項目・テーブル追加が可能かを確認しておく必要はあります。

ポイントカード導入のプロのコンサルタントのコメント

弊社の敏腕コンサルタントの佐藤が、現場の視点でポイントカード導入時の注意点についてまとめています。

「ポイントカード、ポイントサービスについては、一度導入をしてしまうと簡単にはやめることはできません。ポイントカード・ポイントサービスを導入してどんか課題を解決したいのか。その課題の明確化と、課題を解決しうるものである必要があります。

これまで多くの企業において、ポイントサービスの導入が見られるものの、成功している企業は限られています。単純な購買活動に対するポイントのみでよいのか? ポイント還元率は妥当なのか? ポイント交換は値引きのみでよいのか? コスト高になっていないか? 景表法などの法律面はクリアできているか? 会計は問題ないか? 効果の計測方法は? など、詰めるべきことは多岐にわたります。

ポイントカード・ポイントサービスを正しく導入した場合の伸び代は非常に大きいため、
全体を俯瞰したうえで、ひとつひとつを詰めながら設計をしていくことをお薦めします。」

(コメント・監修者:エムズコミュケイト・ポイント導入コンサルタント 佐藤)

〈まとめ〜ポイントカードの仕組みやメリット、導入する際の注意点〉

ポイントカードは確かに顧客を囲い込む手段であり、有効な顧客とのコミュニケーション手段です。

ただし、安易な計画のもと導入してしまうと、情報の管理に収拾が付かなくなってしまったり、逆に顧客とのコミュニケーションの足を引っ張る可能性もあります。

顧客満足度を上げるために、ポイントカードを導入してどのような施策をするのか、綿密なプランニングが必要になるでしょう。

こちらの記事ではポイントカード導入の効果・メリットについて解説しております。是非ご覧ください。

【専門家が解説!!】ポイントカードを導入して得られる効果・メリットとは!?

 

 

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国内唯一・取り組み実績(エムズコミュニケイト)

国内で唯一のポイントサービスに特化したマーケティングコンサル会社です。これまでのポイントサービスの導入・改善支援は300社以上あり、通販、小売り、サービス、金融、鉄道・航空、ガス電力など幅広い業界において実績があります。

※ポイントサービス導入改善に関する国内初の指南書を出版

「成功するポイントサービス」(WEVE出版)

サービス設計からシステム導入・運用までワンストップ支援

顧客課題を解決するサービス設計からシステム導入・運用まで、ポイントサービスにまつわる業務全般をワンストップでご支援することが可能です。ポイントサービス戦略設計、システム構築、個人情報管理、運用支援、プロモーション、カード発行、コールセンター、ポイント交換商品の発送管理など上流~運用までを網羅的にサポート可能です。

③ポイントサービス運用に関する法的・会計面のサポート

ポイントサービスの運用に必要な法的(景品表示法)、会計面(2021年から上場企業に強制適用されるポイント会計)において十全なノウハウを保有しサポートします。

※ポイント会計についてはEY新日本監査法人への執筆協力で『ポイント制度のしくみと会計・税務』(中央経済社)を出版。

④中立性を加味したシステムベンダー紹介

ポイントサービスのコンサルティング支援にあたり、ポイントシステムベンダーについては、中立性を重要視しております。貴社のニーズにあったベンダー紹介および、システムのカスタマイズ提案が可能です。

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